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夏バテ知らずの北京秘伝「酸梅湯」——日本人の腸と心に効く理由とは

 

ある北京の夏の日。私は「本物の涼しさ」に出会いました。

冷たいものばかり飲んでいるのに、なぜか体の芯は熱いまま——そんな経験、ありませんか?

昨年の夏、北京を旅した私は、ふと立ち寄った路地裏の茶館で「酸梅湯(サンメイタン)」という琥珀色の飲み物をすすめられました。一口含んだ瞬間、その衝撃的な味は今でも忘れられません。

一度飲めば忘れられない。「酸梅湯」の3層の味わい

「酸梅湯」の3層の味わい
  • 舌に広がる深い酸味(燻製された烏梅の豊かな香り)
  • 後からふんわり追いかけてくる自然な甘み(冰糖と桂花の優しい調和)
  • 喉から胃までじんわり広がる持続的な「涼感」(氷入りの緑茶とは全く別物)

その夜、私は久しぶりに朝までぐっすりと眠れたのです——暑さで目覚めることなく。

300年の養生知恵——「紫禁城の太医」も愛した飲み物

300年の養生知恵

酸梅湯は、清朝・乾隆帝がこよなく愛した宮廷飲料。「薬食同源」の思想に基づき、烏梅、山楂、甘草、桂花といったすべて漢方素材で作られています。

日本人が驚く「3つの魅力」

1. 梅干しの親戚なのに爽やか?
→ 烏梅は燻製・発酵された特別な梅で、ポリフェノールは生梅の5倍以上!

2. 和漢方との深いつながり
→ 山楂(さんざし)は「消化促進」、桂花(けいか)は「気分安定」に——まるで東洋のアダプトゲン

3. 職人の手が生む「黄金比」
→ 北京の老舗「信遠齋」では、酸味と香りを「陰陽のバランス」で調合する技が受け継がれています。

栄養学的に証明!酸梅湯が夏バテに効く3つの理由

酸梅湯が夏バテに効く3つの理由

1. 内臓から冷やす「深部クールダウン」

烏梅に含まれるクエン酸が、体の奥の熱をゆるやかに下げてくれる(※北京中医薬大学 2023年研究)

2. 汗で失ったミネラルを補う「隠れ脱水対策」

甘草に含まれるナトリウムとカリウムが、電解質をしっかりチャージ。

3. ストレス腸もケアする「腸活サポート」

山楂に含まれるペクチンが、乱れた腸内環境をやさしく整える。

和風アレンジで、毎日に「薬膳のひとさじ」を

◉ 忙しい朝に【3分酸梅ヨーグルト】

  1. 無糖ヨーグルトに酸梅湯濃縮液を小さじ1
  2. すりおろし生姜をひとつまみ加えて代謝アップ!

◉ 焼き魚に【さっぱり薬膳ソース】

酸梅湯+醤油+みりん = 夏にぴったりの甘酸っぱい和風ダレに

「母の味」として受け継がれる、北京の涼しさを冷蔵庫に

酸梅湯は体と心を癒す時間

先日、北京の友人がこんなメールをくれました。

「酸梅湯は私たちにとって“おばあちゃんの味”。夏の午後、祖母がコトコト煮てくれたあの香りが、今でも心に残っています」

そのやさしさを、日本の夏にも届けたい——
手間をかけて煮出すからこそ生まれる、「体と心を癒す時間」。

次回の記事では、「自宅で本場の味を再現できる酸梅湯キット」をご紹介します。
どうぞお楽しみに!